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ゆうゆうタイム

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<   2011年 04月 ( 13 )   > この月の画像一覧

ベーカリー初体験とニラのチジミ

注文したホームベーカリーが、昨日届いた。
2年前から買おうかな・・・と思い、メーカーや機能などを密かに
リサーチしていた。

私は昔、パン生地を手でこねていた。
その後は パン生地をこねるために 餅つき機を買い、パン作りは俄然楽になった。
クリームパンやロールパン、パン生地を使った ふわっふわのドーナツ。
ピザもこの生地を使って、オーブンで焼いた・・・

時は流れ いつしか子どもは大きくなり、パン作りは 日常から遠のいた。
しかし、数年前から 焼きたてのおいしいパンをいろいろな場所で
いただくことが 多くなった。

おいしいと褒めると 「ベーカリーです。すごく簡単なんですよ」
そうか、ベーカリーで焼いても こんなにおいしくできるんだ・・・
いい時代になったなあ、昔はあんなに大変だったのに。



タイマーも使えるとなると、好きな時間に何もせずに 焼きたてのパンが
食べられる、う~~~ん、魅力的!

それでも優柔不断な私は メーカーに迷いすぎて なかなか決断できなかった。
そして今年の春、やっと買うことを決めて そして昨日
ぴかぴかのホームベーカリーが いよいよ到着した!

昨日パン作りの材料を買い、朝8時過ぎにセットして パン作りが始まった。
午前中は 我が家で DV被害者子ども支援の活動の一環として
年に2回の予定で発行する会報作りの打ち合わせがあった。

Eさんが来て 6月に発行する会報の割り付けを決め、昼前に来たTさんも加わり、
コアメンバーの3人が 初レーズンパンの試食を 期待しつつ待った。

そして12時半過ぎに やっと完了のブザーが鳴った!
さっそくケースから 熱々のパンを取り出して カット。
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焼きたてパンのいい香りが 部屋中に満ちた。
外側はパリッと香ばしく固く 噛み心地も良くて、なかはしっとり もちもち、ふわり。
なかなかすてきな レーズンパンが焼きあがった!!!
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3人でおいしい、おいしいと 焼きたてパンを食べた。
2Fにいた息子はベーカリーのパンは初体験だったが、おいしいなあ、と感心していた。 

これからが 楽しみ!
いろんなパンにTryしようっと!



パンを食べたあと晴れてきたので Eさんにカタクリ群生地が満開だと伝えて 案内した。
20年ぶり?にこの場所に来たというEさんは ピンクのじゅうたんに 感動しきり。
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Eさんは来てよかった、見られて幸せ!と繰り返し、遠方の町に住む妹たちも呼び寄せて、
この花園を案内しようかな・・・とうっとり。

今日は カタクリの園に陽が差して 色がきれいだった。
ヒメギフチョウの幼虫が食草とする 小さなオクエゾサイシン(奥蝦夷細辛)
がうまく撮れた。(徳川家の紋章はこの植物の葉の形に基づいたもの)
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帰宅して私は すぐそばの妹宅に これから予定しているリフォームの
フロア張り替えの見本を持参し 相談して型番を決めた。 

夕食は 前に作って 家族に好評だった「ニラのチジミ」をリピート。
ネットで レシピを参考にして コウケンテツさんのレシピが美味だった。

たれはシンプルで 酢と醤油に白すりごまを混ぜたもの。
これが ニラと干しエビとゴマ油の香りに いい感じでマッチする。
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おいしい・・・

おいしいものは とても幸せ。 
by yuko8739 | 2011-04-29 21:28 | おいしいもの | Trackback | Comments(2)

カタクリ三昧!自然観察会

数日前の天気予報は雨だったが、27日のカタクリ自然観察会は薄曇りで
雨も降らず うれしかった。
浮き浮きと 弾んだ気持ちでTさんの車に同乗させてもらい、車で15分くらいの
K町山奥のカタクリ山に出発!

まだ誰も来ていないようなので、カタクリ山の手前で薄紫のキクザキイチゲの一群を眺めた。
芳香のする 沈丁花の仲間のナニワズを、今年初めて見つけた。
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カタクリ山に着いて少し経つと 会のメンバーが車に乗り合いながら到着。
今日は知らない人も参加していて 24名ほどの参加だそうだ。
本州から移住してきたご夫婦も 数名参加しているようだった。

秋に会のメンバーがカマを持参し、寒いなかで何年も笹刈りを続けたカタクリ山は、
驚くほどカタクリが増えて、ピンクのじゅうたん状態になっていた!!!
このところの雨と低い気温で 開花が少し遅れたようで7分咲きくらいかな。
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「わあ~ ずいぶんカタクリが増えたね!!!
すごいね。これなら笹刈りをした甲斐があったと実感できるね」とみなで喜び合った。
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初参加の方々も「これは すごい!」と ひたすら感動していた。
会代表のKさんの説明を聞いて、
「花が咲くのに7年もかかるんだね。笹刈りにも参加しなくちゃ・・・」



そのあとで 私がこの会に入って 皆さんに紹介したI町T会のカタクリ山へ向かった。
ここでは宗教法人の方々が、私が住む町から続く山の林床で 斜面の笹刈りを続け、
カタクリを増やし 見事な群生地にしている。

私有地だが散策路を整備し、無料で市民に開放している。
多分、市内で最も美しい カタクリの群生地でこの日は おおっと思わず声がでるくらいの、
見事な 最高の見ごろだった。
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カメラを片手に 見物に訪れる人も 年ごとに増えている。
私の家からは徒歩10分程度の近さで、このカタクリ山の近辺で
よく子どもたちと 遊んだものだ。
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次に向かったのは M市の太平洋に面した 白い灯台のある地球岬展望台。
まずは腹ごしらえ!ここの芝生に座り 皆でお弁当を広げた。
でも白い霞がかかって気温も低く、じっと座っていると寒い。

それでもおいしく にこにことお弁当を食べて いざ遊歩道を歩き始めた。
行きは坂を下がる道で、歩きはじめると すぐにお目当てのひとつ
オオバキスミレを発見。

キクザキイチゲ、カタクリ、エゾエンゴサク、誰かがヒトリシズカも見つけた。
コジマエンレイソウも。
遊歩道の両側、上の斜面、下の斜面の笹やぶのなかにも 
ずっとカタクリが 延々と咲き続けている!!!
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景観も良く、野花も最高で、こんなにいい場所なのに 誰とも出会わない。
多分 市内でこんなに広い範囲の カタクリ群落自生地は 他にはないのではないか。
なぜ、市民は ここを歩かないのだろう・・・もったいない気持ちで いっぱいになる。

起伏に富んだ遊歩道は、ぐるりと回ったり 下がったり、川も流れ、
木々の合間からは 奇岩が突き出た太平洋も見える。
クジラやイルカをウオッチングできる海域だろう。
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参加者は みな、自然のなかで 子どものように悦び 笑い まるで少年、少女だ。
本当に楽しい。
~きれいだね、よかったね、雨に降られなくて~
~なんて いい気持。来てよかった~
~こんなにカタクリがいっぱいなのを みんな知らないのかもね~
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約2時間の遊歩道の散歩が終わり、満足な笑顔で散会した。

5月1日は ニセコの自然観察会。
春の妖精たちのおっかけは 今しかできない。

最高の春だ・・・
by yuko8739 | 2011-04-28 21:26 | 自然・季節 | Trackback | Comments(0)

森のイスキア、初女さんの仕事

今日、NHKのBSアーカイブスで 「いのちのおむすび」という佐藤初女さんの
美しく感動的な ドキュメンタリー番組を観た。
以前放映されたときには 見逃してしまって 悔しい思いをした番組だった。

87歳のクリスチャン、佐藤初女さんが 標高400mの岩木山麓の、
憩いと安らぎの家「森のイスキア」で、心を込めたおむすびや 
採りたての山菜などの手料理で やってきた方々をもてなしながら、話を聴く。
初女さんは そういう活動を続けて もう20年ほどになる。

生きることに疲れた人も、笑えなくなった人も、重い病を抱えた人も 
背負う苦しみは 人それぞれだが、初女さんに会い、話を聴いてもらい 
丁寧に 丁寧に心を込めて作ったご飯を食べているうちに 
いつしか 苦しみが  すうっと 軽くなるらしい。

気がつけば 重い荷物をおろして 風のように去っていく。
帰っていく。 
そして 来るたびに初女さんに会って また元気になって 戻っていく。

イスキアを 実家のようにして。
初女さんを 母のように慕って。

初女さんは・・・
「私はなにもできませんが、心を込めて料理を作り、いっしょに食べるだけです。
素材はひとつの命ですから、命を大切に 丁寧にいただくのです。

手間をかけるということは 手をかけるということ。
時間をかけるということです。

それを惜しまないことが 食べる人への愛情でしょう。
そんなふうに食べ物を作って食べていると みなさんが 不思議と元気になるのですよ」


初女さんのおむすびで 自殺を思いとどまった青年がいるというのは
あまりにも有名な逸話で 本当の話だ。


「葉っぱは いくら揺れてもいい。木の根がしっかりとしていたら、
枝も葉っぱも いくら揺れてもいいのですよ・・・」


そんな伝説の人、佐藤初女さんがなんと 6月に北海道支笏湖にやってくるという。
ネットで知り 私はすぐに一泊の「イスキアの集い」に 参加を申し込んだ。

6月11日~12日 支笏湖のユースホステルに泊まり、新緑の自然のなかで 
初女さんの講演を聴く。
翌日12日は、なんと!初女さんといっしょに 命のおむすびを握る。
とてもうれしい!参加の申し込みが間に合って 本当に幸運だった。

初女さんのおむすびを しっかりと 全身で感じたい。
そして 今一度 自分のこころとからだの声に 耳を澄ましたい。
自分の魂に 初女さんの言葉を 響かせたい・・・



主催は「雪のイスキア」
(初女さんの心を感じ、共にわかちあえたら・・・と願って活動する
北海道の有志の会。代表は畑野弘子さん)

http://www.geocities.jp/yuki_no_isukia/


イスキアとは・・・
どうにもならない心の重荷を感じたとき、そこへ行けば癒され、
自分を見つめ、新たなエネルギーを得ることができる、
そんな逸話の残る イタリアの島。

そんな場所になってほしいと 初女さんは「森のイスキア」と名づけたのです。
by yuko8739 | 2011-04-26 13:00 | | Trackback | Comments(0)

雨の自然観察会

楽しみにしていた有珠善光寺の自然観察会だが 雨だった。
朝、代表のKさんに電話で聞いたら こういう雨でも
「やらない、ということはない」そうだ。

朝おにぎりを握って お昼用の弁当を作り、喉が痛いので風邪薬を持ち、
セーターを着込んで傘を持ち 寒さ対策を万全にして、8時頃に出発した。

駐車場に着いたら、もう何台も車があり 結局10数名がすでに到着していた。
こんな天気なのに・・・みんな好きだなあ、すごいなあ、と感心しながら
傘をさして雨のなか、この公園の説明を聞いた。
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有珠山の噴火が造形した 石庭のある原生林の自然について 
解説してもらいながら 歩き始めた。

樹木医の0さんが カスミザクラの自生する場所に案内してお話をしてくれた。
そのほかに 今日の会の解説は その道を極め、さまざまな実践をしている方々ばかり。

有珠山火山マイスターのAさん、野鳥の会会長のSさん、
地形や海や郷土史にも詳しく、世界中の貝類の収集家で博物館まで作っている、
日本貝類学会の会員でもあるHさん、
樹木医のOさん、植物や花に詳しい 我が会会長のKさん。

それぞれ在野の賢者に 深い知識の片鱗をわかりやすく解説してもらえるので 
いつもとても楽しく 有意義な自然観察会だ。

雨に濡れながら 空を飛ぶコゲラを発見。
足元には 雛スミレ、カタクリ、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、メコノメソウ、
コジマエンレイソウなどが 雨に濡れて咲いていた。
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先週の ぽかぽか陽気と一変して 昨日の気温は 日中でも5度程度。
今日はそれよりも高いようだが それでも8度程度?の寒さに加えて
雨がずっと降っていた、寒い・・・

ここ有珠善光寺は桜の名所だが、桜の季節以外のどんな季節でも 
可憐な野草の花や実の観察や オオルリやノビタキ、アカゲラたち、
野鳥の楽園を 楽しむのは最高に楽しい。

有珠山噴火の岩屑なだれによる巨岩が作り出す独特の自然や、開拓者らの
「牧士の墓」もあり、この寺の成り立ちや古い歴史を 学ぶことができる。
実に奥の深い 多様な魅力に満ちた自然公園なのだ。
それなのに 花見の季節以外は あまり人出は多くない。


寒いので 散策を早めに終えてから 地域の交流センターに場所を移し、
在野の賢人5人から さらにくわしい解説を聞いた。
この会には 行政側の担当者も参加してくれた。
興味深いお話ばかりだ。
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人工物の建設で 消えてしまった海辺のカニの話。
温暖化の影響だろうか、最近では今まで見たことのなかった
南方系の貝類や鳥類なども発見されているそうだ。とても気になる。

有珠の海岸は、この地方に唯一残された自然の海岸で、
この自然海岸の豊かな自然があってこそ 食べる餌が違う多くの渡り鳥が
越冬できるという。西胆振でサギが飛来するのは この海岸と長流川だけ。

そういう話を聞くと、この海岸の自然を保護することは野生生物の
どれだけの命を守ることになるのだろうと 思わずにはいられない。
尊い膨大な命の連鎖を 人間が断ち切ることは 許されないことだ。
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お昼になって楽しくお弁当を広げ、紅茶やお菓子をいただき、   
近くの神社で お参りしながら 解説を聞いた。

その後、羊羹がおいしい和菓子屋さんで 予約で注文した羊羹と
できたての中華まんじゅうを受け取り、帰りはMさんのお宅に寄って 
おいしいコーヒーをいただき、おしゃべりして 夕方帰宅。
充実した なかなかすてきな いい1日だった・・・

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by yuko8739 | 2011-04-24 20:57 | 自然・季節 | Trackback | Comments(0)

幸せのパン

娘は数年前に ホームベーカリー(HB)を買い、よく家族で焼きたてのパンを
楽しんでいた。
ときには HBで 打ちたてのうどんも 食べていた。



子どもたちが食べ盛りのころは 私も900gの強力粉を
若さゆえの力に任せて こねて、テーブルにバンバンと100回も打ち付け、
よくパンを焼いた。
アパート住まいだったので 多分、大いに近所迷惑だったことだろう・・・

しかし子どもたちは 喜んで焼きたてのパンを いくらでも食べ、
近所の子どもたちも食べ ケーキも焼き、ほとんど自力で何でも作っていた。
(おいしくて 安あがりだというのが 手作りに励んだ大きな理由だった・・・)

子育てと料理が私の生活の大部分を占めていた、あの懐かしい時代・・・



娘は この頃は 生イーストを友人と分けて それを使ったパンを
昔の私のように 手でこねて作っているらしい。
それが とてもおいしいそうだ。

う~~~ん、手でこねたパンを 久しぶりに食べてみたいものだと
娘に「味見させて!」とメールしたら、
「昨日作ったパンは 食べちゃった~」う~~~ん、残念。

じゃあ、今度ね、と思っていたら、今日の午後に 
娘が 手でこねたパンを焼いて 届けてくれた!!!

え~~~~っ わざわざ 作ってきてくれたの???
お皿の上に ウインナのパン、アンパン、ロールパン、ハムマヨパンと
4種のパンがピカピカと。
うれしかった、いい匂い・・・
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焼きたてパンのおいしい匂いに 2階の家人もさっさと降りてきた。
「Nのパンはおいしいなあ!」とパクパクたべて 満足そう。

食べてみたら生イーストのパンは 生地のきめが 細かいような気がする。
お・い・し・い  さすが我が娘!・・・・ん?

おいしいものって 幸せだよね・・・

いつまでも おいしいもので 家族の笑顔いっぱいにしてね!!!

そして・・・また ベーカーリーNAOKOの宅配、待ってま~す。



母は 娘を見つめながら がんばって なんでも手作りしてきて 
しみじみとよかったなあと 思ったのでした・・・


手作り遺伝子、受け継いでくれて ありがとう・・・
by yuko8739 | 2011-04-22 17:36 | おいしいもの | Trackback | Comments(0)

私を離さないで~カズオ・イシグロの世界~

NHKのETV特集は「心の図書館」だそうだ。
確かに感動的で 忘れ難い番組が多く 私はこの番組のファンだ。


4月17日は 私の大好きな本の著者が出演するので 楽しみにしていた。
「カズオ・イシグロをさがして」という番組だった。

彼の著作「私を離さないで」という本は 発行後の2006年ころに、
朝日新聞で書評を読み、すぐに注文して 読んだ。
一気に読み終えて 深い感動に浸った。
「記憶と運命」が この本のテーマだろうか。

その稀有なミステリーのようなストーリー運びの巧みさと見事さ、
回想や記憶のふるえるような繊細さとリアリティ、文章の端正な心地よさ、
深い哀しみの美しさに 心打たれた。
何度か 繰り返し読み、忘れがたい 大好きな本となった。

その後、私は「日の名残り」「遠い山なみの光」と続けて 彼の著作を読んだが、
一番好きな本は この「私を離さないで」だ。
(ちなみに映画化された「日の名残り」は、主演のアンソニー・ホプキンスが
すばらしかった)

TVでは この本に惹かれた著名人が 多く出演していた。
以下、NHK ETV特集(ネット)での解説より

~愛読者の一人、生物学者・福岡伸一は、イシグロの作品世界の
底にある領域を探求し、
「生きること・生命とは何なのか」を文学、科学の枠組みを越えた
目線から見つめ直そうとしている。

演出家・蜷川幸雄はイシグロの本を「空気のように好き」
「あっというまにこの本の世界に入って、なんだ、なんだ、この本は、
と知的興奮を感じた」、いつか劇化したいと夢を語った。

映画監督・三木聡、女優・ともさかりえらは
それぞれのとらえ方で イシグロの世界に魅了されている。
本国イギリスでも熱狂的な読者が毎月読者会を開くなど
イシグロの名は国境を越え、さまざまな層に染み渡っている。

メディアに対し一定の距離を置くイシグロは これまで多くの取材を受けず、
その実像はベールに包まれていた。そんな彼が今年1月に来日。

単独インタビューに応じ、生い立ちから今日に至るまでの来歴を赤裸々に語った。
さらに福岡と対面、「記憶」と「生命」について二時間にわたって語りあった・・・~


小説を書くことは、記憶を永久に固定する作業

人間と記憶の関係に 魅了されている

感傷的には日本人であり続けたい

しかし 日本人になるのは無理だとわかった

言葉もわからないので 日本はあらゆる意味で滞在が最も難しい国

大人になるとは 自分自身を赦すこと

死によって大切な人を失っても、その人の記憶は失われない

記憶は死に対する部分的な勝利なのです

それが記憶の持つ重要で強力な要素で、誰にも奪えないものです



彼自身が 自分とこの小説について語ることに、私は興味深く聴き入った。

カズオ・イシグロのなかの日本 つまり5歳までの記憶は甘美であるが、
その記憶は自分で創り上げたもの、何度も愛をこめて回想するなかで
できあがった幼少時の記憶は 事実とは全く違うものだと彼は言う。

それこそが 彼の意識が創りだした「美しい創作」で、
そのことと彼が作家だということは 無関係でないのではないか・・・ 

彼は言う。
この小説は形としては 特殊な物語だけれど 自分の思いとしては
読者への問いかけなのだと。
あなたは どうですか。
あなたも こんなふうに感じたことはありませんか?と。


私は 普遍的なことを書いたつもりです

人間にとって大切なことは何かと問いかけたかった

人生の時間が限られていると感じた時、赦し、友情、愛情といった要素こそが
人間を人間たらしめる重要な要素なんだ


甘美な過去の記憶と 悲しみにあふれた過酷な現実。
失うこと、思うこと、かなえられないこと、
自分の力では どうにもならないこと。変えられないこと。運命。

受け入れること、赦すこと、諦めること。
耐えて 寡黙に 生きること・・・



彼のこの本は 2005年に発売された英語圏の小説で、最も話題になった一冊。
彼は長崎に生まれて5歳まで過ごした後で、海洋学者の父の仕事の都合で
イギリスに行き、そこで大きくなった。

もちろん、日本語は話せない。
彼が今年1月に来日したのは この本が映画化されたためだろう。

しかし、私のなかで 主人公キャシーのイメージは 既にできあがっている。
映画で もうひとりのキャシーを観ることになるのは かなり抵抗がある。

この本を読み 私のなかに イメージも含めて完成されたひとつの物語、
ひとつの世界は 誰にも侵されたくない。

完璧な哀しさと美しさ、洞察と 敬虔な祈り、抑制された静謐な物語を
私は 深く 深く愛している・・・


カズオ・イシグロの肉声で 彼のなかの日本と 記憶についての思いを
聴くことができて、すばらしい番組だった。


ただこの番組に ひとつの大きな不満がある。

ミステリーのように運ばれる この物語の核心を、朗読やナレーションという形で
明かしてしまったが 未読の視聴者には それは酷なことではなかったか・・・

う~ん、この番組を見て 本を読もうと思う人なら 
きっと とても残念で 悔しかったのではないか。

読む前に 知りたくはなかっただろう。
自分で読んで 知りたかったと。


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by yuko8739 | 2011-04-21 14:05 | 読書 | Trackback | Comments(0)

春の妖精たち

仕事で洞爺湖温泉に出かけた。
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白く輝く残雪の羊蹄山と蒼い洞爺湖、そして緑の芝生のコントラストが美しい・・・
しかし、温泉街は震災の影響か どこへ行っても ほとんど人出がなくて 
なんだか 胸が締めつけられる思いがした。

日本中の観光地は 似たり寄ったりで みなこんなふうだろうか・・・
自粛と海外の観光客が 来ないせいだろうか。
放射能の影響は 恐ろしい。


自粛は ますます経済を冷やしてしまうだろう。
外国人はすぐ戻らないとしても どういう意味でも日本人なら 
同胞を支えるためには 後ずさりせずに 一歩でも前に歩き出さなくては。

昭和新山を眺めながら帰り、自然の仲間と一緒にM町の「牛舎川自然公園」や
山奥の薄紫のキクザキイチゲが咲く 秘密の場所に案内してもらった。


牛舎川自然公園の中州は、白いキクザキイチゲと水色のエゾエンゴサクがいっぱいだった。
長靴を履いて川を渡り 歓声をあげながら みな夢中で写真を撮り始めた。
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私は天の楽園のような美しさに呆然となり、寝そべってイチゲの写真を撮った。 
中州は延々と続き、野花もずっと咲き続けている・・・幸せだった。 
河はダムのように段差をつけながら 上に上っていく。
川岸は 桜の並木道になっていて ここの桜も咲いたらきれいだろう。
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そこから いったんHさんの家に戻り、車に同乗して薄紫のイチゲに会いに山奥へ。

車から降りて 思わず「うわぁ~」と叫んでしまった。
一面に紫色のイチゲがいっぱい!!!
エゾエンゴサクやカタクリも咲いていた。
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川向の斜面には まだ福寿草の黄色が一面に見えている。
すばらしい夢のような場所だった・・・

ただ、しかし 悲しいことに この美しい花の園の一帯は 不法廃棄のゴミも
いっぱいで・・・冷蔵庫やドラム缶、タイヤなどが。

ああ・・・どうして こんなことを!!!
美しい自然のなかに ごみを放置する人間を 私は決して許さない。
法で裁いてほしいが 誰のゴミかわからない・・・

みなで この場所からゴミを動かせないかな・・・などと 話し合った。

満足な幸せな気分で 花園を去って帰路についた。
Hさん宅に寄り またまた ほっと珈琲タイム。
おしゃべりに 花が咲いた。

今度はどこに行って どんな花を見ようか。
ついでに おいしいものも食べたいね・・・
また道東の「太四朗の森」にも 行きたいね。
あそこは 忘れられないね・・・

春の喜びが 人生のひとときを鮮やかに彩る。
そう、「今を生きる」のだ、私たちは。
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イチゲの園のそばで 野生のアサツキを採った。
その酢味噌和えが絶品で、友からもらった 釣りたての宗八カレイを
から揚げにしたが 鮮度がよいので ほのかに甘くて最高に美味!
・・・幸せな 春の夕餉。

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by yuko8739 | 2011-04-19 23:38 | 自然・季節 | Trackback | Comments(0)

春の奇跡

311のあとの春は 少し不安だった。
すべてが 哀しみに 浸食されはしないかと・・・



17日 前日から泊まっていた孫のそうたと 隣町のアヤメ川自然公園にでかけた。
風は強かったが 春の日差しを受けて キラキラと川面は輝き。
川べりには 野の花がいっぱい。
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「わぁ~きれい、花がいっぱいだよ、そうた!」
そうたの笑顔も輝く、春の光を受けて。
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キクザキイチゲの白やうす紫、キバナノアマナの黄色、エゾエンゴサクの空色・・・
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川のほとりのベンチで お昼を食べた。
おにぎりやフライドチキン、卵サンドやお菓子も。
ふたりでにこにこと 幸せな春の外ランチ。

「あらっ チョウチョ!」と 目ざとい私は 赤い蝶を発見。
この時期に 蝶(クジャクチョウ)が飛んでいるなんて。
あまりにも早い蝶の出現に 戸惑いながらも追いかけて 写真を撮った。
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なんだか 哀しみは 忘れていた・・・消えていた。

うれしくて おだってゲタゲタと笑い その笑いがとまらない愛しい小さな男の子と
今、私はここにいる・・・生きて、愛して ここにいる。
春の命の輝きのなかで 生きる喜びが 波のように圧倒的に私を包み 恍惚となった。



私は感じていた。
哀しみだけでは 人は 生きられない。

亡くなってしまったかけがえのない人からも 生きている限り 
必ずメッセージは届く。

悦びも 哀しみも 怒りも 涙も 孤独も 連帯も 共生も 愛も
すべてが 生きるためには 必要だと。
そして 必要なものは すべて 与えられる。

いつか必ず そうなる。

春の光のなかで 私はそう感じた。

311のあと 春の奇跡が そう教えてくれた・・・


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by yuko8739 | 2011-04-18 21:31 | 自然・季節 | Trackback | Comments(0)

ときどき・・・

日常の暮らしのなかで ときどき ぼおっとしてしまう。

いまだ狭くて 寒い避難所にいる 多くの方々を思えば。

すべてを一瞬で失うとは どんな気持ちなのか。

家族を亡くした慟哭、 耐えきれない痛み。

夜な 夜な 自分を責めて 夢のなかでも苦しんでいるかもしれない。

助かった命だけれど  ああ、光は 元気は まぶしすぎないか。

この長い停滞を 復興につなげる困難を思うと 私は ただぼおっとしてしまう。




ああ、これが夢なら。

被災した方々は 何度そう思って泣いたことだろう。

私も そう思って 今も泣く。

もう戻れない、3月11日前には。

もう決して戻れない、あの のどかで平和な海沿いの暮らしには。

すべてが その手のなかにあったのに。




放射能は やはりチェルノブイリと同格で。

いつも そのことを考えると 恐怖でからだはきゅっとなり。

このフクシマがある限り 復興はあり得ない。

放射能の被害に苦しむ人には 救いがない。

外国の学者が「この地震は予想できた」とイギリスのネイチャー誌に 論文を書くそうだ。

予想できた地震に なぜ備えなかった? なぜ同じことを 繰り返す???

ぼおっとなりながら、どこへ向けたらいいのかわからない 怒りがわいてくる。

私の魂は しだいに荒ぶってゆく。




どうして こんなことに。

永遠の問い。

ただ、そう繰り返す。



琵琶湖のそばに住む友が 美しい桜の写真を送ってくれた。

薄白い桜が 川のほとりで満開で 妖艶だった。

胸が切なくなるくらいに 泣きたいくらいに きれいだった。

この桜を咲かせる自然と。

あの獣のような咆哮をあげて、すべてを飲み込んだ311の黒い巨大津波と。
 
同じ自然のひとつの姿・・・



そう思うと ただ、そこで 呆然と立ち尽くす。

生かすも、そして 殺すも 自然。

その前で あまりに 非力な・・・




今、北海道に 1年で一番美しい季節がやってくる。

すばらしい奇跡のような自然のなかで 私はどうしよう。

去年と同じように・・・?




TVでよく聞く がんばろう!という言葉が心に刺さる、棘のように。

こんなときは 元気でいられない。

我慢しなくていい、がんばらなくてもいい。




それでも私は ただ あなたを思っています。

こころは あなたのそばに飛ぶのです。

ぼおっとしながら あなたとつながるのです。

多分、細くて長い糸で こうして 結ばれているのかもしれない、彼の地の人々と。



言葉が 見つからないので 迷子になりながら

どうしていいのか わからない私です・・・
by yuko8739 | 2011-04-16 15:27 | 社会 | Trackback | Comments(0)

言葉の花束・4月

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ことばが注意をもって聴き取られることが必要なのではない。
注意をもって聴く耳があって、はじめて言葉が生まれるのである
                            鷲田 清一

自己のアイデンティティとは、自分が何者であるかを自己に語って聞かせるストーリーである                                  R・D・レイン

ともかく全員が同じものをあてがわれるということほど、
人間をだめにする方法はないんじゃないでしょうかね。
だから、これは「魂を殺す」のに一番いい方法だと僕は思います                                     河合 隼雄

ひとりの人間にはさまざまな背景があるが、その人の内部にだって、いくつもの顔がある。
かってはっきりした成人儀礼があった社会は、成人儀礼によって大人になると、
もう子どもには戻れなかった。だが、現在はそれがない。
50歳になっても、15歳の少年がいるし、15歳の少年にも80歳の顔がある。
それが許される現代は、自由度の高い社会だが、自由であるがゆえに生きにくさもある。
                            鎌田 實
 
~朝日文庫 「臨床とことば」(河合隼雄×鷲田清一)より~


恋というのは、全く経験なんて 生かすことができないものなんだよね。
それが自分に起きるときは どんな恋も すべて初めてのことなんだ。
結局、恋愛なんて 自分が後悔するかしないか それしかないんだ。
                            太田 光
~NHK爆笑学問より~

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後悔しない恋なんて あるのだろうか・・・yuko



今年は 春が早いのか。
散歩のとき いつもカタクリの群生が見られる林床をのぞいてみたら 
なんと スプリングエフェメラル、春の妖精たちが 
枯葉のなかから もう顔を出していた。

英語でSpring ephemeral、春の妖精は、雪解けから約2週間くらいで
消えてしまう。
林床では木の葉が開きはじめると太陽を遮るから、今だけが妖精たちの時間。

驚いたことに白い可憐なキクザキイチゲが すでに咲いていた。
うっとりと しばし見つめてしまった。
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カタクリは 特徴あるおしゃれな葉の間に、もう白いつぼみをつけていた。
そこから 春が匂い立つようだ・・・


小鳥たちがさえずり唄う林で、まさに北の春の饗宴が 今始まろうとしている・・・


 
by yuko8739 | 2011-04-12 22:05 | Trackback | Comments(0)