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ゆうゆうタイム

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8月6日に

この季節が また巡ってきた。

毎年8月は 私にとっては鎮魂の季節。

意味のない戦争で 同胞30数万人が亡くなった。

侵略戦争の国外の犠牲者は 2000万人以上。


このような無残で悲惨な戦争の実態は いくら語っても

これで終わり、ということにはならない。

日本国民すべての共有財産として語り継ぎ、記録されねばならない。


為政者は、都合の悪い資料を焼いたり処分したりする。

その戦いのその時の国民(当時者)が語ることが肝要だと思う。


生死を分ける瞬間に 偽りはないと思う。

長い年月を経てからでないと、語れないこともある。

生き残った高齢の方々が 今だから語れる、

と重い口を開くこともある。


幸いにNHKをはじめ、この時期多くの戦争証言や記録、特集が放送される。

昨年の「孤児たちの戦争」に心はわしづかみにされた。

1年経って今朝も再放送された

「美しき海の墓場トラック島 戦時徴用船の悲劇」にも

再度見入ってしまった。


忘れないために、というよりは自分が伝えるために、

戦争の特集は 見逃さない。


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そんな私の8月の思いを 逆なでするような

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ 表現の不自由展」

中止のニュース。


「私の意見にあなたが反対でも 

あなたが意見を表明する権利を 私は命がけで守る」

それが 表現の自由ということではないのか。


今回の「表現の不自由展」、脅迫faxや抗議メールや

電話が3000通も届いた。

河村たかし名古屋市長は 表現の自由ということを

全く理解しない、右傾的な個人的意見を表明。

そして・・・結局参加者の安全を守るために、展示は中止になった。


表現の自由、不自由を考える展示会は、

暴力に屈した形になった。

これは、どういうことだろう。

かなり深刻な問題を含むと思う。



姿の見えない右翼系の過激な恐喝で 文化的なイベントが

中止される国、それが日本だということ。

ここまできたのか、日本は。


日本を批判することが すでにタブーなのか。

まるで戦前のような「言論」統制。

それと似たようなことが起きている、危うい・・・


「自由な表現など 許さない。

日本を冒とくするなど とんでもない。

ガソリンをまいて 火をつけるぞ!売国奴」

はたしてこんな言説が 許されていいのか。


これが、敗戦国日本の74年後の姿なのか、やりきれない。

脅迫犯を徹底捜査し、必ず探し出す。

国民の安全を脅かすのはテロと同じ、警察が徹底して守る!

そんな声が、どこからも聞こえないのは、なぜだろう・・・

この問題の本質は、そこにあると思う。


だれかの表現や自由、安全が守られるというのは、

みんなの安全も 同じように守られるということなのに。

異論を封じるということは 戦争へのはじまり。

そのことを手放しては 先進国の名に恥じる。


しかし、希望もある。

愛知県知事 大村秀章氏の言葉。

河村たかし市長の言説を「憲法違反」と強く批判。

「公権力こそ、表現の自由を尊重しなければならない」

その言葉こそが この問題の大いなる救いだ。


「空気を読んではダメ!空気って吸って吐くものでしょ」

(私の好きな凪ちゃん(「凪のお暇」)の言葉より)


しかしこの8月に、こうした事件が起きるとは、 

なにかこの国を象徴しているような気がする。

危ういなあ、日本。





by yuko8739 | 2019-08-07 11:43 | 社会 | Trackback | Comments(0)