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最後の仕事/漬物好きだった父

さて、先日30年続けた仕事の最後の取材で、冬枯れの景色のなか、
山奥の温泉に出かけた、今日で最後、とこころのなかで繰り返しながら。
白樺の木々は白い骨のような樹皮をさらしたまま落葉した姿で 山の斜面を覆っていた。
ああ、冬・・・これが私の住む山々の最も冬に近い木々の姿か。

取材を終えて帰路に着いたとき、私は感じていた。
誰かと会うために 約束の場所を探しながら もうお話しを聴きに
行くことはないのだと。
なんだか、呆然とする気持ちだった。

それくらい長く この仕事を30年続けた。
パソコンを使えない昔は 手書きの原稿に四苦八苦。
右手が腱鞘炎になり 消しゴムかすは山のように積もった。

こころのなかには いつも締め切りという言葉が重かった。
なにがあっても 小さなミニコミ紙の発行を続けた。
病院に寝泊まりして ガンの父を看取った時も 病院で原稿を書いた。
椎間板ヘルニアの激痛にうめきながらも どうにか助けてもらって
廃刊にしなかった。

私の魂は この仕事とひとつだった。
思えば30年間好きな仕事ができて幸せだった。
出会いの歓びと書くことの充実。
仕事が、人生の多くのドアを開けてくれた。

しかし・・・ある事情があって半年前に辞めることを決意した。
緊張とストレスの多い仕事だったので 年齢的にはそろそろ
限界を感じていた。

他にも自主上映や映画応援団、自然の会、DV被害者支援、
市民運動など、かかわっている活動が多かったので多忙だった。
ただ、フルタイムではないこういう仕事だから 他の趣味や
ボランティアなども ずっと続けられたと思う。
よく続けたと思う。

最後の仕事を完全に終えるのは11月下旬。
そうなったら 家のなかを再点検したいと思っている。
これからの人生に必要なものだけを 上手に残そう。
後は、処分する。

見直しには ちょうどいい時期なのかもしれない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

気温が 乱高下している。
こういうふうでは 漬物はうまく漬けることができない。
また今年も 悩ましい暖冬なのか。

今日、浅味噌漬け用の大根も干せているので 下漬けをした。
水が上がって 辛みが抜けたら本漬けにする。
父の好きだった 浅く漬けた味噌漬けだ。

実家譲りの料理は ほとんど父の味。
好きなものを食べるときの父は 満面の笑顔で「うまい!」と
何度もしつこいくらいに 繰り返した。


あの父が逝って 何年経つのだろう。
今の私より 父は若くして 逝ってしまった。
言えなかったことも、言いたかったことも、今では
自分の魂のどこかに住む父に すべてを語りかけている。

もう すべてを超えて 父と私は一体になった。
私のなかの父は 慈父の微笑で見守ってくれる。

だから何も怖くなくなった、百人力である。
語れば 涙がこみあげることもいくつかあるが。
それもまた よし。

悲しみは 自分を癒し、自分を理解するための助けとなる。
痛みも悲しみも 人生には欠くことができない。
欠くことのできない極上のエッセンス(本質的要素)といえるのかもしれない・・・

かなしみのない人生などない。
by yuko8739 | 2017-11-11 09:25 | 社会 | Trackback | Comments(2)
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Commented at 2017-11-15 16:40 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yuko8739 at 2017-11-15 21:43
dear ryouko

かなしみが じんせいをふかくする
かなしみは じんせいのよろこびをこくする

でもいま、かなしみの さなかにいるときは
なくしかない
かなしみのうみに おぼれるしかない

ひかりもみえず ひとりぼっち
だれもたすけてはくれない
でも

でも いつかどこかで そのおもいは
きっとむくわれる

いのちは うしなわれるもの
いつか あなたも わたしも だれでも

だから いのちを うしなうことで
てんのくにへいったものたちは 
つたえようとしている

いのちのかがやき、いまいきていることの
きせきのような しあわせ
ともにいきる よろこびを

そんなことを プレゼントしてくれる
だからうしなわれても 
かなしみは おおきなプレゼントになる

さいごまで あいして そばにいられてよかった
あいされて にじのはしをわたっていっただろう
てんのくにへ

てんのくにで ななとぐりがよろこんでかけまわっているのが みえる
ながいあいだ おつかれさま・・・
ぐりにかわって ありがとう

yuko


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