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ゆうゆうタイム

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映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」と木工展

先週、友だち2人と木工展を見にいった。
自分の森を持って 森の木で器を作っている方の展示会だ。
滑らかで美しいさまざまな木の器や 山ぶどうのつるで編んだかごがすてき!
ロシアの白樺の皮で作ったコースターもよかった。(非売品)
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その後で「月いち名画座」で上映中の映画
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見てきた。
今年のアカデミー賞主演男優賞と脚本賞受賞。
主演はケイシー・アフレック。似てはいないが人気俳優ベン・アフレックの弟だ。
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心を閉ざして孤独に生きる男が、兄の死をきっかけに故郷に戻り、
甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向かいあう姿を描いたヒューマンドラマ。

プロデューサーは兄ベン・アフレックの盟友、マット・デイモン、
主人公の元妻役にミシェル・ウィリアム、兄役で「キャロル」の
カイル・チャンドラーが共演。

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アメリカ、ボストン郊外で便利屋として生計を立てるリーは、
仲がよかった兄ジョーの訃報を受けて 故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻る。

兄の遺言で、兄の息子で16歳の息子パトリックの後見人を
任されたリーだったが、故郷の町に留まることは、
リーにとって 忘れられない過去の悲劇と向き合うことでもあった。

感情を表に現わさない主人公は、ときに理由のない暴力をふるい、
この町ではどうしても 暮らせない理由があった。
ここで 人生のすべてを失う悲劇があり、それからの彼は、
孤独と苦悩のなかで なすすべもなく呆然と生きていたのだ。

冬の肌寒い季節のなかで 淡々と港や町を冷たく描き、
主人公の男の空白や虚無さえも 感じさせる撮影。
兄の葬儀が終わり、彼は別れた妻と 偶然路上で出会う。

もうすでに再婚もしている彼女が そこで立ちつくし、
慟哭しながら元夫に謝るシーンがとても印象的だった。
思わず涙がこぼれた。
妻役のミシェル・ウィリアムは、なんてすてきな上手い女優だろう!

「あなたに謝りたいの。
あのときは、あなたも壊れてしまったけれど、私も壊れてしまったの、
だからあなたに あんなひどいことをいってしまった・・・
ごめんなさい。
だから、死なないで、愛している・・・」


兄の息子が 自分と暮らしたいと願っているにもかかわらず。
自分自身も、この甥に深い愛情を感じているのに・・・
結局、信頼できる兄の友人にこの甥を託して 男はまた町に帰る。

しかし、甥が泊りに来ることを考えて 2部屋のアパートを借りようと
思う男、さまざまな時の流れや 人の言葉や愛情は、彼の凍った心を
これから 融かしてゆくのだろうか・・・

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アメリカ映画らしからぬ、淡々とした少ない会話の言葉や、
ぎこちなく空っぽな主人公の表情などが 物語の雰囲気をうまく伝えていた。
まるで日本の小津映画のようだという感想もあったが、そう聞くと そんな気もする。

主人公の内にこもる演技は なかなかよかったと思う。
あれほどすさまじくはなくても 誰にも消えない傷というものは
あるもので・・・痛む場所を みな魂のどこかに持ちながら生きている。

この脚本は なかなかすばらしかった。
ただし、甥のガールフレンドとの性的なやり取りの繰り返しは 
いくらなんでも 過剰ではないか。
テーマから 気持がそれてしまう。
それが 16歳の甥を持つ厄介事の象徴だとしても。

しかし佳作だったし、ケイシー・アフレックにとっては、
この映画は 彼の「生涯の1本」になるのではないか・・・
by yuko8739 | 2017-09-06 10:29 | 映画 | Trackback | Comments(0)