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ゆうゆうタイム

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日常に戻る/「海辺のカフカ」まもなく読了

撮影が終わり・・・日常が戻った。
仕事の会議、自主上映の会議が続き、眼科の定期受診、買い物。
多少の手抜きをしていたので、主婦の仕事も溜まっていた。

洗濯や炊き出しに使った容器、炊飯器の片づけ。
寝室の衣類や本なども整理。


撮影最後の日に、大学生ボランティアのS君の車に乗せてもらった。
とてもすばらしい若者で、優しくて力持ち、炊き出しで余ったご飯や
おかずを にこにこと いっぱいもらってくれた。
なんて感じのいい若者だろう…と感心した。

港の公園まで 車に乗せてもらったときも おばさんを相手に
ちゃんと会話ができる子だった、それってすごいなあ。
とても気持ちがよかったので つい前日の息子との会話を話した。

私が60個の五目いなり寿司を作り、早朝6時までに届けると知った息子は、
「どうして そこまでやるの、やりすぎじゃないの?疲れるよ」そう言う。
私は「そこまでやるから、終わった時の感動が きっとすごいんだよ。
そんなふうにするからこそ いつかこの映画が完成したときに
すごく幸せで深い満足を 感じることができるのだと思う」

その話をしたら・・・
S君は「すごい!それってすごいなあ!いいなあ・・・」
なんてすてきな若者だろうと、おばさんの胸も熱くなった。

ボランティアって 人のために働くことばかりではないと思う。
必ず自分の深い歓びや達成感、人との信頼や絆など
多くの幸いを 与えてもらえる。

故郷の自然や町や人を詩情豊かに言葉少なく 哀切さえこめて描く
ふるさと映画の撮影炊き出しの すべてに協力できるなんて、すてきなこと!
こういう巡りあわせに なんて自分は運がいいのだろうと感じる。

好きな料理という分野を 生かせる幸せ。
からだが まだまだ動く幸せ。
成功や失敗を 共に分かち合う仲間たち。

はじまって終わる、非日常のおもしろさ。
撮影周辺の興味深い人間模様。

学ぶことも 感じることも 少なくはない。

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海辺のカフカ
厚い2冊の本を枕辺に置いて 炊き出しの最中にもこの物語と同行。
父から呪いをかけられた 田村カフカ君。
(カフカとは ポルトガル語でカラスの意味)

15歳の彼は 父からの呪縛から脱するために 家を出て逃げ出す。
不明の母と姉の愛情を求めながら 父と同じDNAを憎みながら。

そして、彼の物語と並行して語られるのは、不思議な老人ナカタさんの物語。
猫と話ができるナカタさんは 猫の首を切り、その心臓を食う男、
ジョニー・ウオーカーを殺してしまう。
「私を 殺してくれ!」という男を殺してしまう。

接点もないはずの二人が じわじわと自分探しの果てに 
線と線が、魂と魂が、運命が交わる・・・

まだ、ラストには辿りつかないが なんという「物語」のおもしろさ!!!
昔話のようで 伝説のようで SFのようで ひたすら先へ、先へと読み進めてしまう。

村上春樹の小説の主人公には 求道者の面影がある。
そして 生きるかなしさを 多種多様な筆致で描く。
そこに 私は強く惹かれてしまうのだと思う。

次は「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」上下巻を注文。
ハルキストへの道は 長く愉しい・・・
by yuko8739 | 2017-06-16 09:53 | 映画 | Trackback | Comments(0)