8月末からの台風被害は 北海道各地に大きな被害をもたらしたが、
こういう被害もあったのか・・・
この台風10号の置き土産の「海岸漂着ゴミ」と格闘し続けている人がいる。
夏は海水浴場やキャンプ場として親しまれている南有珠のアルトリ海岸は
高潮で道路は冠水し、砂丘はえぐられ、海岸線は元の形を変えてしまった。
台風の大波によって 打ち上げられた人口物ゴミが 信じられないくらいに
打ち上げられているという。
その海のゴミを孤軍奮闘で連日拾い続けているFさん夫妻は 自然の会のメンバーだ。
もうすでに 100袋以上のごみを拾い続けているFさんを助けるために、
自然の会の有志6人が 集った。
自然を愛し、自然を守るわれらとしては やはりその意思を
行動で現わさなければ!
29日、9時に海岸に着いた。
海岸に立って 愕然とした。
すぐ目につくのは 大きなゴミ。
オレンジ色や白い大きな浮き玉や カラフルな漁網が散乱している。
その他には よく見ると自然物の海草や木片などの間に、
これも青や黄色、赤いプラスチックのゴミ、ペットボトルやその栓、ビニル袋や
ライター、透明なプラ弁当箱、おもちゃ、人間の暮らしに使う、あらゆる石油系の
容器や製品の欠片が いっぱいだった。
この欠片を海鳥がついばみ 魚たちが飲み込む・・・
さっそく持参したバケツに どんどん拾ったゴミを入れていく。
今まで この海のゴミを ひとりで拾い続けたFさんは、
行政サイドにも相談して 無償でゴミ袋をもらえるようになったそうだ。
だが、本来ならばこれは 行政の仕事だろう。
ただ、今は台風被害の急ぎの対応に追われていて、
海岸のゴミまでは 手がまわらない現実がある。
腰を折るようにして 細かいゴミを拾い続けるのはなかなか難儀なもの。
腰痛に注意しなくては・・・
私は膝が悪いので 椅子を持参して 座りながら移動して拾った。
それでも 腰を折る姿勢は苦しいが。
そのうちに、曇りだった空が晴れわたり 青い空にすばらしい雲が浮かんだ。
美しい海の情景に 魂が奪われる。
こんなに美しい海、私たちに恵みを与える海に このプラゴミを戻すわけにはいかない。
そんな思いで ゴミを拾い続ける。
暑い、汗が全身を濡らす。
それでも7人が拾い続けて 海岸のゴミは確実に 減っていく。
拾い終わった海岸には 海草が乾いた安全な茶色のゴミばかり。
作業していない海岸は プラゴミが目立ちカラフルだ。
漁船のブイの多さと漁網の多さに 驚く。
海の自然から大きな恵みを得ている漁業者が不法投棄しているのか。
人として それは許されない。
海は ゴミ捨て場ではない。
この魚網とブイの量は ゴミ拾い4日分。
休憩時間におやつをつまみ、冷たい飲み物にほっとしながら昼まで3時間。
がんばった甲斐があった。
プラゴミの無くなった海岸では カモメが群れて楽しそうに水浴びをしていた。
また、海岸ゴミ拾いに協力しようと思う。
拾ったゴミは 2度と海に戻らないから。
帰りに 友人とランチを食べてから 行きつけの果樹園で
おいしい真っ赤なツガルりんごやバッファローを買って帰宅。
また私の大好きなリンゴの秋が やってきた・・・