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ゆうゆうタイム

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映画「6才のボクが大人になるまで」

わが町の唯一の映画館で「月いち名画座」という企画が始まった。
北海道の地方の映画館では なかなか上映しない話題作や名画を上映する。

上映期間は1週間程度だが、映画好きにはうれしい企画。
ある時期には、韓国映画とアニメばかり上映していて すっかり映画館には 
足が遠のいた時代があったが。

映画ファンにとっては こういう「名画座」の映画は見逃せない。
ということで、泊まっていたマゴちゃんと 映画を観に行った。

「6歳の僕が大人になるまで」(第64回ベルリン映画祭監督賞受賞)
長い年月をかけてしか 紡ぎだせない臨場感のなかで 
子どもが大人になるとは こういうことか・・・
そんなことをマゴちゃんにも 感じてほしかった。

なかなか親との関係が 滑らかにできない年頃の彼にとって、
家族の原点というものを 感じてほしかった。

そうか、だれでもこういう道を通るんだ。
そしてだれでも こういう道を抜けるんだ。
そんなことを 感じる映画だったらいいなあ。



映画をみた・・・
私が期待したような 親子の繊細な関わりは 描かれていなかった。
ただ、「アメリカの親子」の問題が リアルだった。

離婚や再婚をくり返す アメリカの家庭。
離婚した実父の次に母が再婚する ステップファザーが、
なかなか切なかった。

義父は社会的な地位の高い大学教授だったが 次第に
酒癖の悪い暴力的な本性を 現しはじめる。
どんな国でも、問題を抱える大人が 増えているのかもしれない。

あのまま暮らし続けたら 母と子は無事ではいられなかっただろう。
素早く逃げ出した母と子は 正解だった。
母親の向学心と人生へのファイトは 尊敬に値する。

シャイで傷つきやすい主人公の6歳の男の子が そんなアメリカ社会の
過酷な現実を生きていく。
12年をかけた撮影で 少年がアメリカ社会のなかで、多くの問題と
直面しながら どうにか自らを失うことなく 大人になる過程を描いていた。
寡黙でシャイな少年が よかった。 

そしてその成長の背景となった その時代をフィルムは映しだす。
12年という時代の変遷は、やはりすでにひと昔といえる。
オバマの選挙運動に熱中する女性の姿は、今となってはかなりむなしい。

この主人公の少年の父親は 家族を置いてアラスカに行き、
何年も戻ってこないような父だが、子どもの成長をちゃんと見守る。
無骨だが本音の愛情が 子どもたちの成長には必要だったと思う。

いい加減な男でも 真剣に子どもと向かい合う。
失敗は恐れず ユーモアたっぷりで愛情も濃い。

子どもにとっては こういう父親が 理想なのかもしれない。

果たして日本の父は こんなふうに 本気で子どもに
向かい合っているだろうか。
by yuko8739 | 2015-04-12 01:19 | 映画 | Trackback | Comments(0)