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ゆうゆうタイム

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ワンス・アポン・ア・タイム

むかし、むかし あるところに・・・

その言葉からはじまる物語が 小さいころから大好きだった。
私の寝物語には 祖母や父の存在が欠かせない。
多分、母は小さい妹や弟たちの世話で 忙しかったのだろう。

そんなどこか懐かしい思い出まで甦る番組が 始まった。
NHKBS「ワンス・アポン・ア・タイム」
アメリカで大人気の番組だそうな。

私はおとぎ話が、大好き。
子ども文庫の活動も長くやっていた。
勉強会も重ねた。
河合隼雄さんの本から 昔話やファンタジーは世界の「本質」を
描くものだと学んだ。

だから私はこんなに 児童文学にひかれてしまうのか。
エンデの「はてしない物語」ル・グウィンの「ゲド戦記」、
トールキンの「指輪物語」などを読んでは よく泣いた。

その感動は 大人の文学には到達できない深みと広さがある。
私は物語の世界に 完全に入り込む。
その絢爛たる 目くるめく世界で ほぼ主人公と同一化してしまう。

胸の鼓動は、いつまでもとまらない、夢中になる。
思い出すだけでも ドキドキする。



そんな私が「ワンス~」を見逃すはずはなく。
初回から 物語の二重性に驚く。
これは ファンタジーの定石といえる。
「はてしない物語」や「トムは真夜中の庭で」が典型的だが。

ファンタジーの「由来」が 今この現代に「結果」として
表れているというおもしろさ!
そして この町の大人はすべて 自分自身が何者かに 気づいていない。
魔女の呪いで。

現代人を生きる多くの人々の 不安や孤独を描く「大人」の設定が、うまい!
ぼんやりと自分の本質を見失って 生きている大人は、この町の住人ばかりではない。

白雪姫は学校の先生になっているし、魔女は町を牛耳る町長だ。
いつか、白雪姫の娘エマがやってきて すべてが変わる・・・


白雪姫の娘、エマは 都会の喧騒の中で 探偵家業のようなことを
やっていた。施設で育ち、親の顔も知らない。

孤独でよりどころのない暮らし。
子どもは生んですぐに 養子に出して顔も知らない。

その息子、ヘンリーが「ママ」と訪ねてくることから 時計が動き出し、二つの世界をつなぐ
物語が動き出す。なぜ?
答えは ゆっくり明かされる、急いではいけない。

ファンタジーの世界と この現身の現代とのつながりこそが、多分 謎を解く鍵。
来週は3話目となり、物語のスタイルがわかってきたので 
翌週のストーリーの展開が 楽しみでならない。

孤独の海に 埋もれるように生きてきたエマが、
「ストーリーブルック」の町にやってきて 意味のある人生と、
自分自身を取り戻す物語から 目が離せない。




「woman」が終わって 胸に空いた穴に 
「ワンス~」の豊かな世界が ふいに 飛び込んできた。

今頃になっても、「woman」の小春の言葉が ふいに甦ったりする。

「母性は 子どもに必要なんじゃない。
子どもを育てている女の人にこそ 母性は必要なの・・・」

小春の許しと再生の物語は 終わったのちにまで こうして輝きを増している。


過ぎた物語を そんなふうにして 再び深く味わっている・・・
by yuko8739 | 2013-09-28 09:28 | ドラマ | Trackback | Comments(0)