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ゆうゆうタイム

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カッコいい!上野千鶴子さん

東大名誉教授で女性学の第一人者、上野千鶴子さんの講演会が隣町で開催された。
11月23日~24日の2日間、それぞれ主催者が違う講演会に 私は両日参加した。

初日は「人権啓発講演会」男女共同参画フォーラム2012・人生は私が主役
~当事者主権を生きる~というテーマ。
 
上野さんは3・11のあとで『おひとりさま』は災害弱者だと痛感。
現状の非婚率の高さから、今後生涯非婚者は驚異的に増加し、親より先に子どもが
先に亡くなる「高齢逆縁」も増えると予想する。

こうして増える独居高齢者の抱える問題は、女性の場合は貧困で、男性の場合は孤立。
「すべての人がおひとりさまになる可能性があるので、家族や親族に代わる
代替ネットワークが必要」

ときおり「男とはさみは使いよう」などとユーモラスに語りながら、
本質的なテーマ「当事者主権」こそが 基本だと訴えた。

上野さんは、長く女性学を研究してきたパイオニアでもあり、指導的な理論家だ。
女性の権利を守るために生きてきた上野さんと、障害を持つ中西正司さんの出会いが
一冊の本を生み、その本から『当事者主権』という言葉が生まれた。

中西正司・上野千鶴子著「当事者主権」(岩波新書)によると、
「当事者主権とは、私が私の主権者である、私以外のだれも、国家も、家族も、専門家も、
私がだれであるか、私のニーズが何であるかを代わって決めることを許さない、
という立場の表明である」とある。

すべての社会的弱者、つまり女性に限らず、老人や障害者や子どもなど、
社会的少数派(マイノリティ)の権利を守るためには「当事者の権利」が大事。
そのことこそが 民主主義の最終着地点であり、民主社会としての成熟であり、
目指す場所なのだと思う。

つまり「当事者主権」とは 上野社会学の集大成といえるのではないか・・・
社会的弱者が自己決定権を持ち、自分の運命を自分で決める『当事者主権』を
すべての基本に、と主張した。


「近代化というのは ムラ社会の解体過程です。
血縁地縁による運命共同体は 時として村八分も起きます。
しかし自分が選択できる縁なら、自分で結んだり、ほどいたりできます」・・・

金、モノ、サービス、ノウハウなど ケアに必要なすべてのものが行きかうのが
女縁ネットワークだという。さまざまな女の縁は 属する団体も多彩だ。

趣味やスポーツ、仕事やボランティア、子育てやPTA仲間、町会の活動、
消費者運動、料理やお菓子作りのサークル、合唱や旅行仲間・・・ ・・・ 
女性は 助けてというと駆けつけてくれる友人や知人がいかに多いことか!
ということは、「あっちがだめなら こっちがあるさ」が可能なのだ。

それに比べて、男は・・・プライドが高くて 助けてと言えない。
男は 男に認められたい。
男同士の関係は 死ぬまでパワーゲーム
男は 女に弱音を吐きやすいから 「女性の集団に参入するのが秘訣」

上野さんによると 男の得意技は
① 現状否認
② 現実逃避
③ ハマる、溺れる(ギャンブル、酒、女)
④ 抑圧(あたる、切れる)

だから 町のどこかにコミュニティカフェ(居場所)が あればいい。
資格を問わず、理由を問わず、口実もいらず、ただ共にいて、何かをいっしょに食べるような共食共同体がいいという。

ネットは弱者のツールだという上野さんは 高齢者になっても
「ディサービスに行って ちいちいぱっぱを みんなで歌うなんてまっぴらごめん。
そんなら我が家のPCで 友達とスカイプしてたほうがよほどいい」 
なんてカッコいい!!!

「3・11で問われたことは、原発事故は人災だということ。
想定外ではなかった。私たちが『当事者』にならなかったから、この結果です。
自分の運命は 自分で決めなくては!
人任せにしておくことは できないのですよ」


続く

カッコいい!上野千鶴子さん_c0204725_10454610.jpg

by yuko8739 | 2012-11-26 23:07 | 社会 | Trackback | Comments(0)