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ゆうゆうタイム

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映画「ミツバチの羽音と地球の回転」 

私たち映画の会では 昨年からこの映画の上映を検討し、1か月ほど前からポスターや
パンフを作り、市内外数10か所に配布してチケットも委託し、本格的に上映の準備を始めた。
この映画は震災前に作られたものだが、震災後に自主上映が相次ぎ 今や全国で600か所の
会場で入場者は11万人を超えている。
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先日、大雪のなか、この作品の上映日を迎えた。
前日の釧路での上映に招かれた鎌仲ひとみ監督は 昼ごろのJRで到着する予定だ。

朝早く 駐車場所の雪かきを済ませて やっと車を出してくれた友人で仲間のTさんが迎えに来てくれた。10時に上映会場に着き 駐車場の大雪に驚きながら150人ほどの会場で
暗幕を張ったり、イスを並べたりと10数人のスタッフで会場の設営をした。

あっという間に 駅に監督を迎えに行く時間となり Tさんとふたりで駅へ。
気温はさほど低くなく、-3度くらいだが、雪はまだ降り続いている。
駅なかのキヨスクで 鎌仲さんのランチのためにわが町名物のおいしいお弁当と
プリンを買い、改札口から出てきた 満面笑顔の鎌仲ひとみ監督を迎えた。

駅からすぐそばの会場に着き 控え室に案内し お弁当とプリン、珈琲や
前日焼いて持参した手作りのお菓子、フロランタンを添えた。
開場は午後1時だが 時間前にもかかわらず 入り口で待つお客さまの姿も・・・

物販のテーブルには 映画のなかに出てくる 祝島のひじきやびわ茶をが並んだ。
私は小出裕章さんと鎌仲ひとみさんが対談している本「原発のない世界へ」を買った。
大雪で出足が鈍るかもしれない、と心配していたが どんどん入場者が増え始め、
私は前売券のもぎりを担当。
映画「ミツバチの羽音と地球の回転」 _c0204725_1474673.jpg

椅子は100席以上セットしたが、足りないようで 再び数十席を増やした。
この様子だと100人以上の入場者は 確実だと確信して うれしかった。
これほどの悪天候にかかわらず 地味な脱原発の映画に このように大勢の方々に
来ていただき、小学生も何人かいて 努力の甲斐があったと私は手ごたえを感じていた。

上映前に司会のMさん、代表のSさんに続き 鎌仲ひとみさんが挨拶した。
そして いよいよ上映が始まった。

映画のはじめ、カメラは山口県瀬戸内海祝島に暮らす島民の生活を 淡々とつづる。
美しい海で おもしろいように採れるひじきや甘いビワ、漁業が島の暮らしを支えている。
島民の暮らしから出る生ごみを餌にして 幸せそうな豚を飼っている人も。
自然と共生して生きる 人々の穏やかな暮らしがそこにあった。

高齢化するこの島に戻った若者は どうやって生きているのか。
すぐ目の前に建設予定の中部電力の一関原発の反対運動を どうやってどんな思いで
続けるのか。

この祝島の平均年齢79歳のほとんどの島民たちが 自分たちの暮らしを守るために 
中部電力に対して、原発反対闘争28年間の歴史を持つと知り、感動で震える思いだった。
長時間の座り込みや東京での陳情は 自分たちの貴重な労働時間と引き換えでもある。
こういう過酷な戦いを 28年もの間、全島民が続けてきたとは・・・

そしてこの映画は 脱原発のあとの希望も描く。
北欧のスウェーデンでは 脱石油、脱原発を決め、着実にエネルギーを自然エネルギーへと
シフトし、持続可能な社会作りが進んでいる。

必要なエネルギーのほとんどを 原発にも 化石燃料にも頼らないで維持している
現在の生活を ある小さな町の人々の証言と映像で綴っていく。

今までは廃棄されていた あらゆる持続可能なエネルギーを使って 本気になれば、
こういうことが可能なのだ、夢ではないのだと 驚きながらも 私は確信していた。
未来を創り出すために できることはあるのだ!
できないのではなく やらないだけだと。


映画が終わり、鎌仲ひとみ監督がパソコンの画面を説明しながら なぜこのような映画を
撮るようになったのか、今までの経緯を説明した。
NHKで医療や経済、環境をテーマに番組を多数制作し、その後1998年のイラク取材を
契機に、イラクの子どもに白血病が多発していることから、劣化ウラン弾のことを知り、
自主制作をはじめたこと。

2006年に発表した「六ヶ所村ラプソディ」の自主上映で祝島を訪れ、一人の若者と
出会ったことが この映画を作るきっかけとなったこと。
長い映画の上映のあとで 鎌仲さんのトークは30分にもなったが、誰一人として 
途中で帰る人は いなかった。

この映画を観た人が みな、脱原発と持続可能なエネルギーを 強く求めていることが 
私にはひしひしと伝わった。この映画を上映できて 本当によかったと 
私はしみじみと感じた。上映後に 祝島から取り寄せたヒジキやビワの葉茶、寒干し大根などの品物や鎌仲さんの本やパンフなどに 多くの人が集まった。
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会場を片付けた後で 近くの焼き鳥店で 鎌仲さんと上映スタッフが、短い時間だったが 
打ち上げの会を持った。鎌仲さんは大いに笑い、語り、ご機嫌だった。

私の差し入れたお菓子、フロランタンを 鎌仲さんは「おいしかった!お店よりおいしい。
これ、売れますよぉ~」とおだてるので、持参した可愛い缶に お菓子をいっぱいに詰めて
「荷物になりますが、よかったらお土産に どうぞお持ちください」と手渡した。
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鎌仲さんは「うれしい~~~ホントにいいんですか?もちろんいただきますよ。
これから東京に帰って 次回作の編集作業をしますが、疲れてくると甘いものが
欲しくなるんですよね。スタッフと喜んでいただきますね!」と笑顔でリュックに
お菓子の缶を収めた。

和気あいあいと自己紹介などが続き、打ち上げの会は なかなかいい会だった。

鎌仲さん、これからも あなただけにできる善いお仕事を お元気で続けられますようにと 
私は心から祈っています。

今回は無理でしたが 今度は登別温泉で みんなで「いい湯だな~」しましょうね。


私も 脱原発を願うだけではなく、3月には行動する人になりたいと
思っています。

新しいエネルギーをめざして 新しい世界に向けて 一歩を踏み出します。


さわやかな「新しい風」のようなひとみさん、また、お会いできますように!
by yuko8739 | 2012-02-28 10:18 | 映画 | Trackback | Comments(0)