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ゆうゆうタイム

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ジェーン・バーキンの純真

今夜、何気なく観たNHKBSの「谷村新司ショータイム」
ゲストが、あのジェーン・バーキンだった。
(内容は感動的で、この軽い番組名からのイメージとは 全く違っていた)
こう書いて、ああ、あの彼女・・・とわかるのは 多分ある年代以上の人だろう。

女優としてデビューした彼女は、フランスの反体制的な作曲家で歌手、俳優、そして
映画監督のセルジュ・ゲンズブールとの結婚と その後夫婦ふたりの音楽活動で、
その名前が広く 世界に知れわたった。

その頃、自由奔放でスタイリッシュな彼女の生き方は 多くの女性の羨望の的だったろうか。
しかし彼女の生き方や音楽、そして「自由」の本当の意味を ほとんどの人は 
理解できなかったかもしれないが。
その頃 まだ思春期だった私には 羨望の対象にさえ ならなかった。


しかし今、親日家で日本との交流が40年以上にもなる 65歳の彼女は こう語る。
「年をとることを 恐れないでほしい。若い頃よりも 今は本当に自由になった。
したいことができる自分になった」

「昔は不満だらけで イライラしていたけど 日本から多くのことを学んで、
私の人生は変わった。今を生きるということを 日本から学んだ。
今、この瞬間を大切に生きる、なんてすばらしいのでしょう」

「あの震災の直後 日本のことが心配で 心配で、フランスのあらゆる日本人のいる店を 
周り歩いた、ご家族は無事でしたか?と尋ねながら。
深い悲しみをじっと耐えて 日本人は静かに節度ある対応だった。
私は居ても立ってもいられなくて すぐ日本に行こうと思ったの」

ジェーンは3・11のあと、4月6日には 日本に来日している。
避難所を訪ね、子どもたちを抱きしめ、東京で支援のためのコンサートを開いた。
東京のコンサートで組んだ日本人のバンドと世界を周り 震災支援のための
コンサートを続けるという。

「バンドの日本人を見たら 観客は日本のことを思うでしょう。
いつまでも忘れないで支援を続けたいの。多くのものを失っても 
尊厳ある静かな優しさや強さを表している日本人を 誇りに思います。
日本人はかってなかったほど 今 世界から尊敬されています」


私は 涙がこみ上げた。
この震災で これほど優しい 心からの愛に満ちた外国人女性の肉声を 
初めて聴いたような気がした。
彼女の温かい手で 傷ついた心を ふとなでられた気がした。

ジェーンの顏は年齢を重ねて なお 光り輝いていた。
時代を疾走していた若い頃の彼女より 今の穏やかな平安な、それでいて 
真から自由で 慈愛に満ちた彼女が 大好きになった。


「男女の仲でも もちろん友情は成立するわ。
私の理想はね、ふたりが 別々の部屋で暮らすの。
そして ときどき いっしょに観たい映画を観たりして 感想を言い合ったりして 
同じ時をいっしょに過ごすの。
男の人の肩に 頭を乗せたりするのは ちょっといいものよ」


こういう年齢の重ね方が あるのだと思う。
自分のしたいことが分かり、自分でしたいことが決められて それを実行できる。
日々、今を生きる悦びと幸せ・・・

そして ジェーンを見ていると 感じる。

年を重ねて やっと辿りつける 謙虚。知足。純粋。純真。無垢。

まさに 自分に なること。

自分の本質に 近づくこと。



美しさと愛の心も ますます 深く大きくなって。
by yuko8739 | 2012-01-15 01:19 | | Trackback | Comments(0)