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ゆうゆうタイム

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「う」の引きだし

向田邦子さんが書いた本を元にしたドラマが 彼女の死後30年が経った今も
制作されている。(先日終了したNHKの「胡桃の部屋」)
そして彼女に関する本も 相変わらず出版されている。

1981年8月22日の彼女は飛行機事故で死去した。
もったいなかった・・・これだけ大きな才能を、51歳の若さで失ったのは。
今、生きていたら どんなドラマを 彼女は書いたのだろうか。
ときどき そう思うことがある。

私は向田邦子のファンだ。
彼女の書いた脚本のドラマを決して欠かさなかったし、
彼女の本も ずいぶん買って読んだ。

ちょっと怖いような、ドキドキするような・・・
心の秘密の部屋の 重いドアをギィーッと ゆっくり開けるような感覚が 
彼女の書く物語には あった。

家族をテーマにしたエッセイなどにも 鋭い感受性と哀しみに満ちた 
彼女独特の孤独の香りがあって、私はそれを愛した。


今も 日中の青空に浮かぶ月をみると 私はいつも向田邦子を思う。
そんなお月さまは まるで少し透き通って 大根の薄切りのようだと
「大根の月」と彼女は呼んでいた。

なぜか、今でも昼間の月を見ると 必ずそのことを思い出して 
私は ついつぶやく。「あ 大根の月・・・」

青い空には 本当に大根を薄切りにして 貼り付けたような月。
向田邦子という人の観察の目の鋭さと感性を こんなことから 
今もリアルに感じる。

何に書いてあったか 忘れたけれど 彼女の部屋の机には「う」の引き出しが
あるということを知った。「う」の引き出しとは「うまいもの」の引き出し。

美食家だった彼女が「うまい」もの、うまい店などのメモや情報などを
ひとつの引き出しに まとめて入れておいたらしい。

彼女の好んだレシピ、薄い豚バラ肉とほうれん草の鍋「常夜鍋」は 
私も大好きで 何度も作り 我が家の定番になっている。
シンプルだが おいしい。

そうだ、私のブログにも「う」の引きだしを作ろう!
何故か急に 今日そう思った。
向田邦子風に「う」の引き出し。

マネしちゃって・・・と 彼女は笑うかな。
お詫びに?おもしろいと X氏が褒めていた鴨下信一作の向田邦子論
「名文探偵・向田邦子の謎を解く」を読もう。



そして・・・昨日の私の「う」の引き出しは?
久しぶりに yuko風スパゲチミートソース。
そして ただ蒸しただけで なんておいしい!とうなる絶品かぼちゃのスープ。
「う」の引きだし_c0204725_0115040.jpg

「う」の引きだし_c0204725_0112494.jpg


「う」の引きだし_c0204725_012239.jpg

かぼちゃを蒸して 牛乳といっしょにミキサーにかけて、バタを入れて、
ブイヨンも入れて 塩コショウして それだけでなんというこの甘さ。
あまりにそれだけでおいしくて 生クリームは入れなかった。

こんなふうに ときどきは、開けたい「う」の引き出し・・・
by yuko8739 | 2011-09-07 00:12 | おいしいもの | Trackback | Comments(0)