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ゆうゆうタイム

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本の話

悲しみはいつか自分の体の一部になる
(NHK ラジオ深夜便の言葉=ブログ「定年再出発」より)


2月16日 朝日新聞
~「ゲド戦記」翻訳 清水真砂子さんが最終講義~から

清水真砂子さんは 児童文学の名翻訳者として広く知られている。
(私は大好きな「ゲド戦記」シリーズを読んで 深く感動したが、
そのときに 清水真砂子という翻訳者の名前も 深く胸に刻まれた)

彼女は 34年間勤めた 青山学院女子短大を 今年3月末に去るという。
このたび 最終講義で学生達に 語りかけた。

「子どもの本にかかわる人は、うんと大人で、うんと子どもでなくちゃいけない」
(瀬田 貞二さんの言葉を引用=児童文学者、翻訳者、指輪物語やナルニア国物語の
翻訳など)

「子ども時代の読書は『人生の予行練習』」

「すぐれた子どもの文学は、苦しくても生きてごらん、大丈夫、と
背中を押してくれる」

「現実には 、求めても光を得られないことがあるかもしれない。
それでも『どうせ』と 子どもに言わせてはいけない。
言えば楽になるけれど、希望を放棄させるということは、
最もモラルに反すること」


「子どもの本がしてきたように、この人に出会えたから
自暴自棄にならずに済んだと思わせる一人に、
この世につなぎとめる一人に なってほしい」

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先日 井上ひさし著「宮澤賢治と語る」という本を読み終えた。
賢治の童話を じっくり読んでみたくなった。

私が好きなのは「よだかの星」
賢治の遺書と言えるような「アメニモマケズ」には
いつも 胸がいっぱいになる・・・

賢治の祈りのすべてが 臨終間際に書かれたこの詩に込められている。
短い37年の人生は あまりにも哀切・・・ 

彼の思想の根底には「みなの幸せのために 犠牲になるなら 自分が・・・」
そういう思いがあったという。

賢治は科学者でもあったが 芸術家で 宗教家でもある。
このトライアングルを統合して生き、魂をふるわせる音色で言葉を奏でた人は、 
日本では 彼以外にいない。



今読んでいるのは・・・
NHK ETV特集「“斜陽”への旅〜太宰治と太田静子の真実〜」で描かれた
太田治子著「明るい方へ」~父・太宰治と母・太田静子

太宰作品のなかでも 私が特に好きな小説が「斜陽」だが、
この小説の誕生のきっかけとなった 太田静子の存在や、
太宰が作家の本能的な性(さが)で 彼女の日記を小説にする過程など、
克明に描かれていて 興味は尽きない。 

今 本は 太宰がどうやって 静子の日記を手に入れたか、
その核心部分に 触れようとしている。
なんだか 読み終わるのが もったいないような・・・



もう一冊 おもしろそうで買ったのは、
ハヤカワ文庫 ロアルド・ダール著「あなたに似た人」
~鬼才ダールが描く 幻想とユーモアと恐怖をちりばめた珠玉の15編~
アメリカ探偵クラブ賞最優秀短編賞受賞の傑作~
これも早く読みたい・・・


2階の部屋の入れ替えから始まった「片付け病」に はまっている私は、
捻挫を克服すべく?家のなかの気になる箇所を片っ端から、
片付けて 整理整頓している。
今は 一階の部屋に移行して あれこれ整理整頓している。

まるで 昨年末の大掃除の続きを 今やっているようなもの。
今日は台所の天井までの棚をすべて片付けて、整理整頓。
ロールカーテン4枚もはずして 苦労しながら浴室で洗い すっきり!

けっこう このすっきりは癖になる・・・

どこか胸の奥では「たつ鳥 あとを濁さず」そんな言葉が 響く。
自分が いつか 「たつ鳥」に なるときに、あまりあわてたくないと 思う。
小さく暮らす。
整理して 暮らす。
自分が この世から いなくなるときのために、 
そんなふうに暮らしていこうと 私は 今 密かに願っているのかもしれない。


夜になると 読書の愉悦に浸っている・・・
これは 誰にも犯されない 私の精神の自由な羽ばたき・・・
by yuko8739 | 2010-02-17 23:06 | 読書 | Trackback | Comments(0)