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ゆうゆうタイム

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スローフード礼賛~素性のいいものを食べたい~

この頃、出来合いのおかずや漬物、加工品などが、
どんどん苦手になってきている。

自分で作ると餃子やシウマイ、メンチカツやコロッケなどは、
なんでもおいしいし、その素材の味がする。

我が家のたくわんは 塩と糠の味だが、売っているたくわんは違う。
包装の裏側を読むと 多くの添加物に 驚く。

また 売っているおかず類のなかには、これは何の味だろうと
首をかしげるものもある。
食べてもおいしいと思わないし、
正直に言えば あまり食べたくない。

デパ地下で販売している高価な惣菜でも、
本当においしいと感じるものは少ない。


パンでもそう。ときどき菓子パンも買うけれど、
香りも変だし 生地に雑味がある。
生地が食パンのように すっきりしていない。
時々私は思う、これは何の味だろうと。


加工品などがほとんどなかった私の小さい頃は、
食品の種類は少なかったし、今ほど衛生的ではなかったかもしれないが、
今思うと 食べ物は人の手で作る「幸せな時代」だったかもしれない。

その土地で手に入る 新鮮な旬の素材を 伝統的で単純な料理法で
味わっていたと思う。
太陽や 風や 寒さや 時間の力を借りた。

発酵が おいしさを育て 長期の保存を可能にした。
今思うと それこそ「スローフード」そのもの・・・

冬は寒く厳しく長かったし、夏もさほど暑くはなかった。
気象や環境も食べ物も 今よりはるかに健全だったと思う。

私はそういう時代に 幼少期を過ごした。
私は健全で単純な食べ物を食べて育った。

幸いに、私の人生には 戦争もなかった。
食生活は質素だったが 飢える苦しみを私は知らない。
それは何にもまして幸せなことだと いつも感謝している。
  
時には インスタントラーメンも食べるけれど、
しかし私流の抵抗は 続けていこうと思う。

日々のおかずは 基本を大事にしたい。
出汁は正しく丁寧にとり、素材は鮮度のよいものを選び、
作り過ぎには注意する。

旬の食べ物で 季節を体に取り込む。
その時期のものは からだが欲しているのだから。
それを とことん味わいたい。

自分の住む場所から 近いところで採れたものを
なるべく選びたいとも思う。



私は人生でひとつの原理を大事にしている。
それは共に何かを食べることは 人と人を近づける最良の方法だということ。
これは子育て時代の友人との経験から生まれた 私の信念だ。

共に食べるものがおいしかったら、それは人生で最高に
幸せな時間を 分かち合うことになる・・・

おいしいものは笑顔を作り 幸せを生む。
贅沢は要らない。
漬物一本、味噌汁一杯で 人は幸せになれる。

今は何でも売っているが、作ったものには売っているものには
到底及ばないおいしさがあると、私は信じている。

しかしそんなふうに思いながらも、常に完璧を目指すのはなかなか大変なこと。
仕事を持ち、さまざまな社会活動で多忙な私は
時間がなくて 料理ができないこともある。

夜の会合も多く 疲れは溜まる。肩も痛くなるし、ひざもガタガタする・・・
それでも上手に工夫しながら 私は素性のいいものを食べようと思う。

スローなやり方でしか生み出せないおいしさを 大事にしたい。
できる限り 努力はしよう。
味噌も仕込むし、漬物も漬ける。
ケーキも焼く。

地元の畑や海で とれた野菜や魚を食べよう。
山菜で 春を実感するし 伝統の食べ物は ちゃんと受け継ごうと思う。
せめて せめて 私の代までは。

おいしい幸せは、決して手放さない!
そう思いながら もう私のお節料理の段取りは 始まっている・・・



ゆうゆうタイム(ペーパー版) バックナンバーより 抜粋加筆
by yuko8739 | 2009-12-14 12:55 | おいしいもの | Trackback | Comments(2)
Commented at 2009-12-14 22:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2009-12-14 23:04 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。