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ゆうゆうタイム

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河合隼雄さんのことpart2

そして07年7月20日、私は 新聞で河合さんの訃報を知る・・・

(ゆうゆうタイム ペーパー版 バックナンバーより抜粋)

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さようなら、河合隼雄さん

7月20日朝、あなたの訃報を新聞で知りました。
昨年夏からあなたの回復を祈り続けてきましたが、とうとう別れのときが来てしまいました。

あなたのことを悼み、文化人類学者の中沢新一さんは
「日本にほとんどいなくなった賢者でした。日本人の魂というものが
危機に陥っていると認識し、救おうとした」(07年7月20日 朝日新聞朝刊)
と印象的な言葉で語っていました。 

その言葉が 私の胸に響きます。
あなたはこの日本という国の歪みを、日本人のこころの闇を、
あなたでなければ感じられない それらのものを、
ご自分の持っている力で どうにかしようと 動かれた・・・

あなたは日本人のこころの在り方を、実に印象的な書名にして、
私たちの目を覚ましてくれた。
「母性社会日本の病理」「中空構造日本の深層」・・・ ・・・

これらのあなたの本を読み、私は衝撃を受け 胸が高鳴りました。
本質を捉える あなたのすごさ、そこからの出発(たびだち)の道程を、
ユング心理学という深い英知に満ちた光で照らし出したことは、
まさにあなたにしかできない「賢者の仕事」だったと感じています。
 
TVであなたを見たり、講演会などで実際にお会いして感じるのは、
あるがままを肯定する あなたのすばらしさでした。
あなたの「無理はしない」姿勢、「決めつけない」心の広さや深さ、
そして おだやかなユーモアの温かさでした。

辛いとき、苦しいとき、それでも時には 自分を縛る縄を緩めて、
私がほんの少しでも 自分を笑い飛ばせるようになってきたのは、
誰も傷つけることのない あなたの温かなユーモアのエッセンスを、
少しは 分けてもらえたからでしょうか・・・

ユーモアというオブラートに包まれて 一瞬でも笑顔を取り戻すと、緊張が解けます。
その瞬間は、自分を解放できるのですね・・・
まさに それは 「ほほえみの魔法」です。 
  
 
あなたがずいぶん昔から指摘し続けてきた 日本人のこころの歪みは
今も変わってはいないでしょう。
もしかしたら 変形はもっと進んでいるかもしれません。

多くの人がゆとりをなくし、自分自身を考えるための意思を持たず、
すべて自分だけの感情で動く、という傾向が加速しているように、
私は感じるのです。

自分の感情が湧きあがる 魂の深淵を 覗こうとするものは少ない・・・
ゲドが恐ろしい影から逃げ続け、ついにその影と戦い、正対したときに見た
影の正体の、あの衝撃を思い、今でも私はどきどきするのです。

まさに無意識から意識へと変容するとは、あのような瞬間を経ること。
そこでこそ世界が、自分が変わるのですね。
 (「ゲド戦記Ⅰ 影との戦い」~岩波書店~より)

そのような「無意識と意識の統合を生きる」ということ、
そのことこそ 私がめざそうとし、在ろうとする遙かな地平線です。
そこに至ろうと歩む者にとって、必要なのが あなたのような賢者であり、
カウンセラーだったのに・・・
  
あなたからいただいたものは、生涯私のなかで生き続け 輝き続けます。
「人」には「人」が要るのだと、私の魂は叫び続けるでしょう。

あなたの道案内で 今までの人生を歩けたことを、
あなたを同伴者として これからも生き続けることを、
今、私の大きな幸いだと感じています・・・

河合隼雄さん、ありがとうございました。      合掌


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河合隼雄さんの本を読み続けていた私は、その後に
「カウンセリングワークショップ」というものに 出会うことになる・・・
それは またの物語・・・
by yuko8739 | 2009-11-26 09:12 | | Trackback | Comments(0)